🏆 Today's Briefing
🔐 Security
マイクロソフト、2026年2月の月例パッチで6件のゼロデイ脆弱性を含む58件の欠陥を修正
マイクロソフトは2026年2月の月例セキュリティ更新プログラムを公開し、58件の脆弱性に対処しました。この中には、既に活発な悪用が確認されている6件のゼロデイ脆弱性と、情報が公開済みの3件が含まれており、極めて高いリスクとなっています。システム管理者はこれらの更新を最優先で適用する必要があります。
今月の月例パッチは、実際に悪用されているゼロデイ脆弱性の数が多く、特に重要度が高いです。Windows環境全体におけるシステム侵害やデータ漏洩、サービス停止を防ぐため、修正プログラムの即時適用が不可欠です。
何があった?
マイクロソフトが2026年2月の月例更新プログラムをリリースしました。合計58件の脆弱性が修正されましたが、そのうち6件は既にサイバー攻撃に悪用されている「ゼロデイ脆弱性」です。
影響を受ける範囲
Windows OSおよび関連するマイクロソフト製品を利用するほぼ全てのユーザーと組織が対象です。特にサーバーや企業のクライアントPCは攻撃の標的になりやすいため、注意が必要です。
今すぐやるべき対策
システム管理者は、Windows Updateなどを通じて、修正プログラムを最優先で適用してください。特に、今回修正されたゼロデイ脆弱性に関連するシステムは、リスク評価を待たずに即時対応することが賢明です。
今後の注目点
今回修正されたゼロデイ脆弱性の悪用手口が、今後他の攻撃グループにも広がる可能性があります。パッチ適用後も、不審なアクティビティがないか、エンドポイントの監視を継続することが重要です。
✍ Aya Aegis
参考:
Microsoft February 2026 Patch Tuesday fixes 6 zero-days, 58 flaws
🔐 Security
新種ランサムウェア「Reynolds」、脆弱なドライバを悪用しEDRなどセキュリティ製品を無効化
新種のランサムウェア「Reynolds」が確認されました。このマルウェアは「BYOVD」と呼ばれる手法を使い、正規の脆弱なドライバを悪用してカーネルレベルの権限を取得します。これにより、EDRなどのエンドポイントセキュリティ製品を無効化し、防御を回避しながらファイルの暗号化を実行します。
ランサムウェアのペイロード自体にBYOVD手法を組み込むのは、回避技術の大きな進化を示しています。信頼されたコンポーネントを悪用するため検知がより困難になります。セキュリティチームは、マルウェアのシグネチャだけでなく、異常なドライバの読み込みや権限昇格の監視にも注力する必要があります。
何があった?
セキュリティ製品を無力化する新種のランサムウェア「Reynolds」が発見されました。正規だが脆弱性のあるドライバを悪用する「BYOVD」という手法を使い、システム深部で管理者権限を奪取します。
誰に関係ある?
EDRなどの最新のエンドポイントセキュリティ製品を導入している企業が主な標的です。防御策を導入しているから安心、とは言えない状況です。
どこが重要?
攻撃者が自ら脆弱なドライバを持ち込むことで、OSの正規機能に見せかけてセキュリティソフトを停止させる点が脅威です。従来のマルウェア検知手法だけでは防ぎきれない可能性があります。
今すぐやるべき対策
ドライバのインストールや読み込みを監視し、許可されていないドライバが使われていないか確認する仕組みを強化してください。また、攻撃の兆候を早期に検知するため、特権アカウントの操作ログの監視も重要です。
✍ Aya Aegis
参考:
Reynolds Ransomware Embeds BYOVD Driver to Disable EDR Security Tools
🔐 Security
OT攻撃の新手法「Living-off-the-Plant」が脅威に、工場システムに内在する機能が悪用される
工場やインフラを制御するOT(Operational Technology)システムへの攻撃が巧妙化しています。「Living-off-the-Plant」と呼ばれる新手法では、攻撃者がシステムに元々備わっている正規ツールやプロトコルを悪用します。これにより、通常の運用と区別がつきにくく、検知が極めて困難になります。
外部マルウェアから内部機能の悪用への移行は、OTセキュリティにとって重大な課題です。外部の脅威をブロックすることに主眼を置いた従来の対策では不十分と言えます。OT環境の深い可視性を確保し、正常な活動のベースラインを確立して、正規機能の悪用を検知する必要があります。
何があった?
工場やプラントの制御システム(OT)を狙う新たな攻撃手法「Living-off-the-Plant」が報告されました。これは、システムに元々存在する正規の機能やコマンドを悪用して破壊活動を行うものです。
影響を受ける範囲
電力、ガス、水道、製造業など、産業用制御システム(ICS)を運用するすべての重要インフラ事業者が対象です。物理的な破壊や生産停止につながる深刻なリスクがあります。
どこが重要?
攻撃にマルウェアを使わないため、アンチウイルスソフトなど従来のセキュリティ対策では検知が非常に困難です。攻撃者の活動が、システムの正常な運用や保守作業と見分けがつきにくい点が大きな脅威です。
今後の注目点
OT環境のネットワークトラフィックや操作ログを詳細に監視し、「普段と違う」操作がないかを検知する仕組みが不可欠になります。IT部門とOT部門の連携を強化し、システム全体の振る舞いを把握する体制構築が急務です。
✍ Aya Aegis
参考:
OT Attacks Get Scary With 'Living-off-the-Plant' Techniques
🔐 Security
ボルボ・グループ北米の顧客データが流出、サプライヤーConduentへのサイバー攻撃が原因
ボルボ・グループの北米法人は、顧客データが流出したことを公表しました。このインシデントはボルボへの直接攻撃ではなく、同社が利用するビジネスサービス大手Conduentへのサイバー攻撃に起因するものです。サプライチェーンにおけるセキュリティリスクの大きさを示す事例です。
サプライチェーン攻撃は依然として主要な脅威です。この一件は、企業のセキュリティ体制がサードパーティベンダーを含む最も脆弱な部分に依存することを示しています。こうした間接的な情報漏洩を防ぐには、厳格なベンダーリスク管理と契約上のセキュリティ要件が不可欠です。
何があった?
ボルボ・グループ北米法人の顧客データが、取引先であるConduent社へのサイバー攻撃によって流出しました。自社が直接攻撃されなくても、取引先を経由して情報が漏洩する「サプライチェーン攻撃」の一例です。
誰に関係ある?
外部のクラウドサービスや業務委託先を利用しているすべての企業に関係します。自社のセキュリティ対策が万全でも、取引先の脆弱性が自社のリスクに直結する可能性があります。
どこが重要?
自社のセキュリティだけでなく、取引先のセキュリティ管理体制も評価・監督する必要があるという点です。特に個人情報や機密情報を預ける場合は、契約内容や監査を通じて、相手方の対策レベルを確認することが不可欠です。
私の視点
「うちは大丈夫」ではなく「取引先は大丈夫か」という視点がますます重要になっています。インシデント発生時の責任分界点や連携体制について、平時から取引先と明確に合意しておくべきです。
✍ Aya Aegis
参考:
Volvo Group North America customer data exposed in Conduent hack
🧩 OSS
GTKハックフェスト2026開催、C11への移行やアクセシビリティの課題を議論
GUIツールキットGTKの開発チームが2026年のハックフェストを開催しました。次期開発サイクルでC言語の要求バージョンをC11に引き上げることや、GTK3の変更を重要な修正に限定することが決定されました。また、アクセシビリティ機能に関する課題も議論されました。
GTKハックフェストでの決定は、成熟したOSSプロジェクトに共通する課題を反映しています。つまり、新機能開発(GTK4以降)、長期メンテナンス(GTK3)、そして近代化(C11)のバランスを取るという点です。アクセシビリティに関する議論は、OSSデスクトップ界隈の根深い問題を示唆しています。
何があった?
Linuxデスクトップで広く使われるGUIツールキット「GTK」の開発者イベントが開催され、今後の開発方針が議論されました。C言語の標準をC11に更新するなど、技術的な基盤の近代化が進められます。
誰に関係ある?
GTKを使用してLinux向けデスクトップアプリケーションを開発している開発者が主な対象です。また、Linuxデスクトップ環境の将来に関心を持つユーザーにも関連する情報です。
ポイント
プロジェクトが成熟する中で、古いバージョン(GTK3)のメンテナンスと新しいバージョン(GTK4以降)の開発をどう両立させるか、という課題に直面しています。GTK3への変更を最小限に留める決定は、安定性を重視する姿勢の表れです。
今後の注目点
アクセシビリティ機能(特にWindowsやmacOSでの実装)のメンテナンスに懸念が示されており、今後の開発リソースの配分が課題となりそうです。クロスプラットフォーム対応の維持は、OSSプロジェクトにとって常に重要なテーマです。
✍ Aya Aegis
参考:
GTK hackfest, 2026 edition (GTK Development Blog)
✒️ 編集後記
我々が築き上げたデジタル社会の基盤は、幾重にも重なる信頼の連鎖によって成り立っている。OS、ドライバー、サードパーティ、オープンソース。これら一つひとつが、見えざる礎石である。今日の脅威は、もはやアプリケーションの脆弱性を突くだけではない。彼らはこの信頼の構造そのものを標的とし、基盤を内側から蝕む。「見えないから安全」という時代は終わった。今求められるのは、我々が依存する全てのレイヤーに対する、徹底した精査と健全な懐疑の視座にほかならない。真の強靭さとは、表面的な防御壁ではなく、その礎の健全性によってのみ担保されるのである。