🗓 Security Digest: 2026/02/10
💬 Daily Almana -- 本日は、サイバー攻撃の巧妙化と、それを支える技術の進化という、表裏一体のテーマが浮かび上がっています。SolarWinds Web Help Desk を悪用した多段階攻撃や、BYOVD を利用した Black Basta の登場は、攻撃者が組織の弱点をいかに深く突き、防御を回避しているかを示唆しています。また、AI を必要としないパスワード解析手法の解説は、依然として古典的ながらも効果的な攻撃手法が健在であることを物語っています。一方で、Seeed Studio のオープンソースロボットアームは、AI、特に「具現化されたAI」へのアクセスを民主化しようという動きも見られ、技術の光と影が交錯する一日と言えるでしょう。
🏆 Today's Focus
🔐 Security

SolarWinds Web Help Deskが多段階攻撃で悪用され、RCEの標的に

Microsoftは、攻撃者がインターネットに公開されたSolarWinds Web Help Desk(WHD)インスタンスを悪用して初期アクセスを取得し、組織のネットワーク内で他の高価値資産に横展開する多段階の侵入を観測したと発表しました。ただし、Microsoft Defender Security Research Teamによると、この活動が最近の脆弱性を悪用したものかは不明です。

SolarWinds Web Help Deskの脆弱性が、多段階攻撃における初期アクセスおよびラテラルムーブメントに悪用されていることが判明しました。公開されたインスタンスを対象としているため、影響範囲は広範に及ぶ可能性があります。直ちにパッチ適用やアクセス制御の見直しが推奨されます。


SolarWinds Web Help Desk(WHD)の公開インスタンスが、攻撃者によって初期アクセスおよびネットワーク内での横展開に悪用される多段階の侵入攻撃が確認されました。Microsoftがこの攻撃を観測し、報告しています。


インターネットに公開されているWHDインスタンスを運用している組織が標的となり得ます。攻撃者はこの脆弱性を足がかりに、組織内の他の重要資産へのアクセスを試みます。


WHDはITサポート業務に不可欠なツールであり、その脆弱性の悪用は業務継続性や情報漏洩のリスクに直結します。迅速な対応が求められます。攻撃の巧妙化が進む中、公開されているシステムへの対策は喫緊の課題です。

参考: SolarWinds Web Help Desk Exploited for RCE in Multi-Stage Attacks on Exposed Servers

🔐 Security

AIは不要:攻撃者はどうやってターゲットを絞った単語リストを作るのか

AIを使わなくても、攻撃者は組織の公開情報からターゲットを絞った単語リストを作成し、パスワードを解読できます。この記事では、CeWLのようなツールがWebサイトをどのように高成功率のパスワード推測に利用されるか、そして複雑性ルールだけでは不十分な理由を解説します。


AI技術に頼らずとも、攻撃者は組織のウェブサイトから収集した公開言語データを用いて、パスワード解読のための「的を絞った単語リスト」を効率的に生成できることが明らかになりました。


パスワードの複雑性ルールだけでは、これらのリスト攻撃に対して十分な防御にならないケースが指摘されています。


攻撃手法の進化はAIの有無にとどまらず、既存の公開情報活用へとシフトしている点です。Webサイトの公開情報管理の見直しが迫られます。


AIなしでもパスワード突破は可能。組織の公開情報が「パスワードリスト」に悪用される実態が明らかに。


単なる複雑性ルールだけでは、攻撃者による巧妙なリスト生成に対抗しきれない状況が浮き彫りになっています。


「AIだから危険」という単純な構図ではなく、公開情報の管理体制そのものに、より一層の注意が必要であることを示唆しています。皆さんの会社でも、公開されている言語データに注意が必要かもしれませんね。

参考: Password guessing without AI: How attackers build targeted wordlists

🔐 Security

中国関連の攻撃グループUNC3886、サイバー諜報活動でシンガポールの通信セクターを標的に

シンガポールのサイバーセキュリティ庁(CSA)は、中国と関連のあるサイバースパイグループ「UNC3886」が同国の通信セクターに対するサイバー諜報活動キャンペーンで同国を標的としたことを明らかにしました。UNC3886はシンガポール4大通信事業者(M1、SIMBA Telecom、Singtel、StarHub)に対して、計画的かつ標的を絞った攻撃キャンペーンを展開しました。

中国関連のAPTグループUNC3886が、シンガポールの通信インフラを標的としたサイバースパイ活動を展開していることが判明しました。国家レベルのインフラが標的となっていることから、高度な技術と長期的な情報収集を目的としている可能性が高いです。各国政府および通信事業者は、この種の攻撃に対する警戒を一層強める必要があります。


中国と関連が疑われるサイバースパイグループUNC3886が、シンガポールの通信セクターを標的としたサイバー攻撃キャンペーンを実行しました。シンガポールサイバーセキュリティ庁(CSA)がこの事実を公表しています。


シンガポールの主要な4つの通信事業者(M1, SIMBA Telecom, Singtel, StarHub)が標的となりました。通信インフラは社会インフラの根幹であり、そのセキュリティ侵害は広範な影響を及ぼす可能性があります。


国家レベルのインフラを標的としたサイバースパイ活動は、機密情報の窃取や通信傍受などを目的としている可能性があり、国家安全保障上のリスクとなります。攻撃の巧妙さや計画性から、高度な技術を有する攻撃グループの関与が示唆されます。関係各所は連携して対策を強化する必要があるでしょう。

参考: China-Linked UNC3886 Targets Singapore Telecom Sector in Cyber Espionage Campaign

🧠 AI

Seeed Studio、エンボディドAI開発の敷居を下げるオープンソースのロボットアームを発表

6自由度のロボットアームは、650mmのリーチで1.5kgの負荷を処理し、デスクトップAI作業をターゲットとしています。


Seeed Studioが、エンボディドAI(身体性AI)の導入障壁を下げることを目指した、オープンソースのロボットアームを発表しました。


この6自由度ロボットアームは、650mmのリーチで1.5kgまでの負荷を扱え、デスクトップでのAI開発・実験用途に最適化されています。


オープンソースである点が重要で、研究者や開発者が手軽にロボティクスとAIの融合分野に取り組むための強力なプラットフォームとなる可能性を秘めています。


Seeed Studioが、手軽に始められるオープンソースのロボットアームを発表!


「身体性AI」、つまりAIが物理的な体を持って動く研究分野のハードルをぐっと下げてくれる、デスクトップサイズのロボットアームとのこと。1.5kgまで持てて、650mm伸びるそうです。


オープンソースなので、AI開発者や研究者にとっては、色々なアイデアを試すための「ちょうどいい」ツールになりそうですね。これで、AIがもっと色々な場所で活躍する未来が近づくかもしれません。

参考: Seeed Studio's Open Source Robotic Arm Promises to Lower the Barrier to Embodied AI

🔐 Security

Black Bastaランサムウェア、ペイロードにBYOVD手法をバンドル

研究者らが、最近発見された脆弱なドライバーがBlack Bastaランサムウェアにバンドルされていることを発見しました。これは、回避技術の人気の高まりを示唆しています。

ランサムウェアグループ「Black Basta」が、Bring Your Own Vulnerable Driver (BYOVD) 技術をランサムウェアペイロードに組み込んでいることが確認されました。これは、セキュリティ対策の回避を目的とした攻撃手法の進化を示しており、防御側は新たな対策の必要性に直面しています。既存のEDRやアンチウイルスソリューションでは検知が困難になる可能性があります。


ランサムウェアグループ「Black Basta」が、攻撃手法としてBring Your Own Vulnerable Driver (BYOVD) 技術を、ランサムウェアのペイロードに同梱していることが発見されました。これは、セキュリティ製品による検知を回避するための巧妙な手口です。


Black Bastaの攻撃を受ける可能性のある全ての組織が対象となります。特に、BYOVD技術に対する防御策が整備されていない環境では、ランサムウェアの感染リスクが高まります。


BYOVDは、正規の(しかし脆弱性を持つ)ドライバーを利用してシステム権限を奪取する技術であり、検知が困難です。この技術のランサムウェアへのバンドルは、攻撃の成功率を高め、被害を甚大化させる可能性があります。セキュリティベンダーや運用者は、この新たな脅威ベクトルへの対策を急ぐ必要があります。

参考: Black Basta Bundles BYOVD With Ransomware Payload

🔐 Security

ハッカーが自社製ソフトウェアの欠陥を利用しSmarterToolsのネットワークに侵入

SmarterToolsは、同社が提供するソフトウェアの欠陥を悪用したWarlockランサムウェアギャングが自社のネットワークに侵入したことを確認しました。侵入は電子メールシステムの侵害を通じて行われ、ビジネスアプリケーションやアカウントデータへの影響はなかったとしています。

SmarterToolsのネットワークが、同社製ソフトウェアの脆弱性を悪用したWarlockランサムウェアギャングによって侵害されました。自社製品の脆弱性が原因である点は、ソフトウェア開発企業にとって重大な教訓となります。製品ライフサイクル全体を通じたセキュリティテストと迅速なパッチ提供体制の重要性が改めて浮き彫りになりました。


SmarterToolsのネットワークが、同社が提供するソフトウェアの脆弱性を悪用したWarlockランサムウェアギャングによって侵害されました。侵入は同社製メールシステムの侵害を通じて行われたと報告されています。


SmarterToolsの顧客、および同社製品を利用する組織は、間接的な影響を受ける可能性があります。また、SmarterTools自体のセキュリティ体制に対する信頼性にも影響が及ぶでしょう。


自社製品の脆弱性が原因で自社ネットワークが侵害されるという事実は、ソフトウェア開発者にとって極めて深刻な事態です。製品の品質保証プロセス、特にセキュリティテストの徹底と、発見された脆弱性に対する迅速な修正・展開体制の構築が不可欠であることが示されています。

参考: Hackers breach SmarterTools network using flaw in its own software

🔐 Security

[Dark Reading Virtual Event] Shields Up:サイバーセキュリティ防御を再形成する主要技術

Dark Readingが主催するバーチャルイベント「Shields Up」では、サイバーセキュリティの防御体制を再構築する上で重要な役割を果たす最新技術に焦点が当てられます。AI、ゼロトラスト、クラウドネイティブセキュリティなどの先端技術がどのようにサイバーセキュリティの最前線を再構築しているかについて議論される予定です。

サイバーセキュリティの防御技術は急速に進化しており、最新の脅威に対抗するためには、AI、ゼロトラスト、クラウドネイティブセキュリティなどの先端技術の活用が不可欠です。本イベントでは、これらの主要技術がどのようにサイバーセキュリティの最前線を再構築しているかについて議論されます。


Dark Readingが主催するバーチャルイベント「Shields Up」では、サイバーセキュリティの防御体制を再構築する上で重要な役割を果たす最新技術に焦点が当てられます。


サイバーセキュリティの最新動向に関心のある全てのITプロフェッショナル、セキュリティ担当者、および技術導入を検討している組織にとって有益な情報源となります。


進化し続けるサイバー攻撃に対抗するためには、AIによる脅威検知、ゼロトラストアーキテクチャ、クラウドセキュリティの最適化といった先進技術の理解と導入が不可欠です。本イベントは、これらの技術がもたらす変革と、今後のサイバーセキュリティ戦略の方向性について示唆を与えるでしょう。

参考: [Dark Reading Virtual Event] Shields Up: Key Technologies Reshaping Cybersecurity Defenses

✒️ 編集後記
サイバー空間における攻防は、技術の進歩と共に絶えず進化を続ける。高度化する攻撃手法の裏側には、常にそれを防ごうとする防御技術の進歩がある。このイタチごっこは、技術の本質そのものと言えよう。攻撃者は既存の脆弱性を巧妙に組み合わせ、防御側は新たな技術や古典的な手法の再解釈によって対抗する。そこに、AIという新たな波が加わり、その様相はさらに複雑化している。しかし、本質を見れば、それは人間の知恵と創造性が、善と悪の両極で試されているにほかならない。我々はこのダイナミズムを注視し、その先に広がる未来を見通す必要がある。